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職場環境改善|ストレスチェック

職場環境改善のアイデア 具体例やポイント解説、活用ツールも紹介

職場環境改善のアイデア

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近年、働き方の多様化や価値観の変化に伴い、企業の成長において「職場環境」の重要性が増しています。働きやすい職場環境は、従業員のエンゲージメントを高め、生産性向上、離職率の低下に大きく貢献します。
本記事では、職場環境改善のアイデアとして目的から見直しポイント、効果的な施策、陥りがちな注意点、そして効果測定の方法、課題解決に役立つツールや具体的な事例もご紹介いたします。 

職場環境とは

職場環境とは、従業員が業務を行う上で関わる全ての要素を指します。物理的なオフィス空間だけでなく、人間関係、組織文化、制度、福利厚生、IT環境など、多岐にわたる要素が複雑に絡み合っています。
これらの要素が従業員の心身の健康、モチベーション、そして生産性に大きな影響を与えるため、企業にとって職場環境の整備は重要な経営課題の一つと言えるでしょう。

職場環境改善の目的

職場環境を改善することは、単に従業員が働きやすくなるだけでなく、企業にとっても多くのメリットをもたらします。ここでは、主な目的を4つご紹介します。

①従業員の定着・離職防止 

働きやすい職場環境は、従業員のエンゲージメントを高め、企業への帰属意識や愛着を高めます。
その結果、従業員の定着率が向上し、離職を防ぐことができます。採用コストや教育コストの削減にも繋がり、長期的な視点で見ると企業経営に大きく貢献します。

従業員のストレス対策・メンタルヘルス予防

職場におけるストレスは、従業員の心身の健康を害し、休職や離職の原因となる可能性があります。
良好な職場環境は、ストレスの軽減やメンタルヘルス不調の予防に繋がり、従業員が長く働ける基盤となります。

生産性の向上 

快適なオフィス環境、効率的な業務プロセス、職場の円滑なコミュニケーションなどは、従業員の業務効率を高め、生産性の向上に繋がります。
また、従業員一人ひとりが能力を最大限に発揮できる環境を整備することは、組織全体の生産性向上に不可欠です。

人的資本経営や健康経営 

近年注目されている人的資本経営や健康経営においても、職場環境の整備は重要な要素です。
従業員を法人の「資本」として捉え、その価値を最大限に引き出すためには、健康で意欲的に働ける環境が不可欠です。職場環境改善は、これらの経営戦略を推進する上で土台となる取り組みと言えるでしょう。

職場環境改善のための見直しポイント

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職場環境の改善に取り組む際には、様々な視点から見直しを行うことが重要です。ここでは、3つの観点からポイントをご紹介します。

会社制度から見直す  

従業員の働き方やモチベーションに直接影響を与える会社制度は、職場環境改善の重要な出発点となります。

 ・ライフワークバランスを前提とした勤怠制度の活用

柔軟な働き方を支援するフレックスタイム制度やテレワーク制度の導入、年次有給休暇の取得推奨などは、従業員のワークライフバランスを向上させ、満足度を高めます。
また、育児や介護、疾病治療のための休業制度や、仕事との両立支援制度の充実も、従業員が安心して長く働ける環境づくりに不可欠です。

 ・評価制度の適切化 

従業員の努力や成果を適切に評価する制度は、モチベーション維持・向上に繋がります。透明性の高い評価基準の設定や、定期的なフィードバックの実施などが重要です。
また、成果だけでなく、プロセスや行動も評価に含めることで、従業員の成長を促すことができます。

 ・福利厚生の浸透 

住宅手当、通勤手当、食事補助などの経済的な支援だけでなく、リフレッシュ休暇制度、社員食堂、フィットネスジムの利用補助など、従業員の多様なニーズに応える福利厚生制度は、満足度を高め、企業へのロイヤリティ向上に貢献します。
制度を導入するだけでなく、従業員への周知を徹底し、利用しやすい環境を整備することが重要です。

設備から見直す         

物理的なオフィス環境は、従業員の快適性や生産性に直接影響を与えます。

 ・作業環境の最適化 

オフィスレイアウトの見直し、適切な照明、温度・湿度の管理、騒音対策などは、従業員の集中力を高め、疲労を軽減します。
フリーアドレス制の導入や、集中ブース・オンライン会議ブースの設置など、多様な働き方に対応できるオフィス環境を整備することも有効です。

 ・事業設備・ツールのアップデート 

老朽化した設備や使いにくいツールは、業務効率を低下させるだけでなく、従業員のストレスの原因にもなります。
最新のITツールや業務効率化ツールの導入、メンテナンスの定期的な実施などは、生産性向上に繋がり、従業員の負担を軽減します。

企業風土・組織風土から見直す           

 目に見えにくい企業風土や組織風土は、従業員の心理的な安全性やエンゲージメントに深く関わります。

 ・業務量・業務範囲の見直し 

一部の従業員に業務が集中している状態は、疲弊や不満を生み出す原因となります。業務の可視化を行い、適切な人員配置や業務分担を行うことで、従業員の負担を軽減し、効率的な働き方を実現します。
また、適切な人員配分に限界がある場合は、思い切って更に大枠の組織から配分を再考できないか検討することも突破口になるでしょう。

 ・休暇取得の推奨 

有給休暇の取得を奨励するだけでなく、取得しやすい雰囲気づくりが重要です。計画的な取得を促す制度の導入や、上司からの積極的な声かけなどが有効です。また、まずは上司自身が休暇を取得することも大切です。

 ・組織編成の見直し 

組織の構造や役割分担が、従業員の能力発揮や連携を阻害している場合があります。組織目標の明確化、役割の再定義、フラットな組織構造の検討など、組織全体の最適化を図ることで、よりスムーズな業務遂行と従業員のエンゲージメント向上に繋がります。

 ・コミュニケーションの活性化 

部署内外のコミュニケーション不足は、誤解や連携不足を生み出し、業務効率を低下させる可能性があります。
定期的なチームミーティングの実施、社内SNSの活用、部署を跨いだ交流イベントの開催など、多様なコミュニケーションの機会を設けることが重要です。

 ・心理的安全性の確保 

従業員が安心して意見や疑問を発言できる、失敗を恐れずに挑戦できる心理的に安全な環境づくりは、イノベーションの創出や問題解決に不可欠です。上司や同僚からの建設的なフィードバック、多様な意見を尊重する文化の醸成などが重要です。

  ハラスメント予防 

ハラスメントは、従業員の尊厳を傷つけ、心身の健康を害するだけでなく、企業への信用を大きく損なう可能性があります。
ハラスメント防止研修の実施、相談窓口の設置、発生時の適切な対応策の整備など、組織全体でハラスメントのない環境づくりに徹底的して取り組む必要があります。

関連記事・・・ハラスメント研修の重要性と実施     
関連サービス・・・ハラスメント研修

効果のあった具体例を実施する

成功事例を参考に、自社に合った施策を取り入れることは、職場環境改善を効果的に進める上で有効な手段です。
ここでは、実際に効果がみられた施策例を3つご紹介します。

①定期ミーティングを増やす 

部署内やチーム内での定期的なミーティングは、情報共有を円滑にし、連携を強化します。進捗状況の確認だけでなく、課題の早期発見や解決、アイデアの共有など、多岐にわたる効果が期待できます。
オンラインツールを活用することで、場所にとらわれずに実施することも可能です。

②1on1を行う 

上司と部下が定期的に個別面談を行う1on1は、部下の成長支援やキャリア開発、課題解決に有効です。また、上司が部下の状況や悩みを把握する良い機会となり、信頼関係の構築にも繋がります。
上司からの一方的なアドバイスに終始しないよう、必ず部下の発言時間に比重を置くようにすると効果が出やすくなります。

メンター制度を活用する 

新入社員や異動してきた社員に対して、先輩社員がメンターとしてサポートするメンター制度は、早期の組織への適応やスキルアップを支援します。メンターにとっても、自身の成長やリーダーシップの発揮に繋がるメリットがあります。
可能であれば、事前に相性や適性を確認した上で、実施前に目的や知識、接し方の研修を行うと効果が出やすくなります。

職場環境の改善で陥りがちな注意点

職場環境改善の取り組みは、時に意図しない結果を招くことがあります。ここでは、陥りがちな注意点を3つご紹介します。

①現場の状況がわからない 

経営層や一部の担当者だけで職場環境改善を進めてしまうと、現場のニーズや課題とズレが生じ、従業員の不満を招く可能性があります。
アンケート調査やヒアリングなどを通じて、現場の声を丁寧に収集し、現状を正確に把握することが重要です。

現場がついてこない 

一方的に改善策を押し付けると、従業員の抵抗を生み、取り組みが頓挫する可能性があります。改善の目的やメリットを丁寧に説明し、従業員の理解と協力を得るためのコミュニケーションを重視しましょう。
ワークショップなどを開催し、従業員が方向性を確認して主体的に参加できる機会を設けることも有効です。

従業員が協力的ではない 

一部の従業員が改善活動に非協力的である場合、全体のモチベーション低下に繋がる可能性があります。
改善の意義を改めて伝え、今後の見通しやメリットを伝えた上で協力を促すことも大切です。
協力のインセンティブとして、積極的に参加する従業員を評価する仕組みを導入することも手段のひとつです。

データ分析やツールで効果測定する

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職場環境改善の取り組みの効果を客観的に評価し、PDCAサイクルを回していくためには、データ分析やツールの活用が不可欠です。

ストレスチェックの活用 

ストレスチェックは、従業員のストレス状況を把握し、メンタルヘルス不調のリスクが高い従業員を早期に発見するための有効なツールです。定期的な実施と、分析結果に基づいた適切な対応を行うことが重要です。

関連記事・・・ストレスチェック集団分析結果の組織長へのフィードバック方法
関連サービス・・・ストレスチェック・職場環境改善サービスLLax seed

モチベーションの測定・向上 

従業員のモチベーションは、生産性に大きく影響します。モチベーションサーベイなどを活用して定期的に測定し、結果を分析することで、課題を特定し、改善策を検討することができます。

エンゲージメントの測定・向上 

エンゲージメントは主に2種類の指標があります。『ワーク・エンゲージメント』は仕事への心理状態の指標で、「活力・熱意・没頭」の3要素からなります。一方で、『従業員エンゲージメント』は、企業への愛着や貢献意欲を示す指標です。
エンゲージメントサーベイを実施し、現状を把握することで、離職リスクの低減や生産性向上に向けた具体的な施策を検討することができます。

関連記事・・・ワークエンゲージメント(ワークエンゲイジメント)とは?
関連サービス・・・エンゲージメントサーベイ「A’Uno(アウーノ)」 

プレゼンティーイズムの測定・向上

プレゼンティーイズムは、出勤しても心身の不調で本来の能力を発揮できていない状態です。測定することで、心身の不調を発端とする生産性低下の要因や疾病の兆候が分かり、職場改善の分析や効果指標に使われます。
ツールや質問票を利用して測定し、対策を行うことで、従業員の健康維持と組織全体の生産性向上に繋がる取り組みを検討できます。 

関連記事・・・ 健康経営で注目される生産性指標“プレゼンティーイズム”を解説        
関連サービス・・・プレゼンティーイズムサーベイ「LLax WLQ-J」   

■一元管理ツールで効率的に課題を特定 

上記のような様々なデータを一元的に管理・分析できるツールを導入することで、職場環境の課題を効率的に特定し、効果的な改善策を立案・実行することができます。

関連サービス・・・健診・人事データの統合管理「Growbase(グロウベース)」

まとめ

職場環境改善は、従業員一人ひとりが働きがいを感じ、能力を最大限に発揮できる環境を整備するための重要な取り組みです。
本記事でご紹介した見直しポイントや具体的な施策、注意点などのアイデアを参考に、ぜひ自社に合った職場環境改善を進めてください。
データに基づいた効果測定を行いながら、継続的に改善に取り組むことで、従業員の定着、生産性向上、そして企業の成長に繋がるはずです。

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