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自社従業員以外(派遣社員・家族等)への健康支援とは?ホワイト500新基準の背景とSOMPOヘルスサポートの取り組み事例
目次
はじめに

令和8年度健康経営度調査票の改訂において、ホワイト500の認定基準に関わる大きな注目トピックとなっているのが「自社従業員以外(派遣社員等)への健康支援」です。
これまではグループ会社への健康経営推進方針の浸透、取引先・他社への健康経営支援がホワイト500の認定要件でしたが、令和8年度では「Q20.自社従業員以外への健康支援」として、「他社からの派遣社員等や家族への健康支援」が500の認定要件として追加となりました。
努力目標や一部の加点要素として捉えられがちだった「直接雇用者以外の就業者への配慮」ですが、最新の調査票(Q20)では、その取り組み姿勢が企業の評価を分ける重要なポイントとして格上げされています。
「どこまで費用や機会を提供すべきか分からない」
「派遣元との兼ね合いがあり、自社だけで勝手に進められない」
「他社は具体的にどんな支援を行っているのか?」
こうした疑問や悩みを抱える人事・総務・健康管理担当者に向けて、本記事では調査票改訂の背景にあるトレンドと要点を整理するとともに、当社で実際に行っている「自社従業員以外への健康支援事例」を公開します。形式的な調査票対策にとどまらない、実効性の高い職場づくりのヒントとしてお役立てください。
※今年度はQ20のうち、「a.他社からの派遣社員や常時使用しない従業員への健康支援」もしくは「b従業員の家族に対して実施している施策」のどちらかの回答で認定要件として認められますが、令和9年度からは(a)と(b)両方の実施が必須となる予定です。
なぜ今「自社従業員以外(派遣社員等)への健康支援」が求められるのか?
2-1. 健康経営を社会へ普及させる「企業の役割」と「裾野を広げる」改訂の狙い
今回の改訂において根底にあるキーワードは、まさに「健康経営の裾野を広げる」という点にあります。
これまで企業が行う健康経営は、自社が直接雇用する正社員の健康保持・増進、休職予防、生産性向上が主な焦点でした。しかし、これからの健康経営には「自社内にとどまらず、社会全体へ健康経営を普及させていく牽引役」としての役割が企業に強く求められています。
同じオフィスや現場で同じ目標に向かって働き、事業活動を共に支えている派遣社員やパートタイマー、業務委託スタッフなどを支援の対象外にしていては、真の意味での健康な職場づくりや組織の一体感醸成は実現できません。「同じ就業空間で働くすべての人々の健康を守り、支援の輪を社会全体へ広げていく」ことこそが、今回の改訂に込められた本質的なメッセージです。
2-2. 「家族支援」の転換点:保険者任せから「企業主体」で届ける時代へ
この「裾野を広げる」という考え方は、従業員本人だけでなく「従業員の家族に対する支援」のあり方にも反映されています。
従来、従業員の家族(被扶養者)に対する健康診断の案内や健康増進施策は、「健康保険組合(保険者)が対応するもの」といったケースが一般的でした。しかし、今回の改訂の流れにおいては、企業自らが主体となって、従業員の家族にしっかりと届くような支援・情報提供を行うことが重要視されるようになっています。
家庭の健康や生活基盤の充実は、従業員本人のメンタルヘルスやエンゲージメント、日々のパフォーマンスに直結します。保険者任せにするのではなく、企業自身が主体性を持って「家族も含めた健康支援の枠組み」を整えていく姿勢が求められているのです。
2-3. ホワイト500要件における位置づけの変化(Q20のポイント)
こうした背景を受け、健康経営度調査票の設問(Q20)において、自社従業員以外に対する施策の提供が「ホワイト500」の認定を左右する重要要件へと格上げされました。
選択肢として挙げられている内容自体は、健康増進に関するイベント参加や研修機会の提供、相談窓口の開放など基礎的な取り組みも多く含まれますが、従来型の雇用区分にとらわれた体制のままでは対応が後手に回ってしまいます。「雇用形態を問わず支援を提供することが、これからのスタンダードである」というトレンドをいち早く捉えることが重要です。
2-4. 実務担当者が直面しやすいハードルと課題
とはいえ、現場の人事・総務担当者からは次のような懸念の声がよく聞かれます。
- 派遣元企業との責任範囲の切り分け:「派遣元の健康診断や福利厚生と重複しないか」「二重管理にならないか」
- 費用負担の考え方:「直接雇用ではないスタッフに対してどこまで会社経費を投じてよいのか」
- 就業時間との兼ね合い:「研修やイベントへの参加時間を勤務時間とみなすか否か」
こうした懸念から「大がかりな制度改訂が必要なのではないか」と身構えてしまいがちですが、実は多くの企業で「既存の仕組みやリソースを活用したスモールスタート」が十分に可能です。
【当社事例】SOMPOヘルスサポートが実践する「自社従業員以外への健康支援」
当社(SOMPOヘルスサポート)でも、多くの派遣スタッフやパートナー企業の方々とともに日々の事業を推進しています。ここでは、当社が実際に行っている「既存リソースを活用したスモールスタート施策」をご紹介します。
3-1. ヘルスリテラシー研修・セミナー受講の機会提供
当社では、正社員向けに実施している各種ヘルスリテラシー向上セミナーやeラーニングを、派遣社員の皆様にも同一条件で案内・開放しています。
当社の具体的な施策
- 実施内容:肩こり&腰痛対策セミナー
- 運用のポイント:新たな研修を別建てで設計するのではなく、「すでに実施しているウェビナーや講習会への案内リストに加える」だけであるため、追加コストをかけずにスモールスタートが可能です。

3-2. 社内インフルエンザ予防接種会場の開放(受診アクセスの確保)
当社では事業所訪問型のインフルエンザ集団予防接種を実施しており、派遣社員や業務委託社員およびご家族の方にも同会場で接種を受けられる機会を提供しています。
- 運用のポイント:正社員のように全額・一部会社補助を適用することが社内規程上難しい場合でも、「費用は自己負担(実費)としつつ、就業場所(オフィス内)でスムーズに接種できる機会を提供する」という運用が可能です。当社も正社員は費用補助をし、派遣社員や業務委託社員およびご家族については費用の自己負担をお願いしております。
わざわざ個別に医療機関を予約して休日に足を運ぶ手間が省けるため、実用的な支援として喜ばれています。
3-3. 社内相談窓口(EAP・イントラネット)へのアクセス権付与
心身の不調やメンタルヘルスに関する相談窓口、セルフケア情報の掲載された社内イントラネットについて、派遣社員にもアクセス権や案内窓口を明示しています。
- 運用のポイント:派遣社員は業務上の悩みを抱えても、派遣元の営業担当者や現場の上司には直接相談しづらいケースが少なくありません。外部の第三者相談窓口を社内周知する際、「派遣社員の方もご利用いただけます」と一言添えて周知するだけでも、心理的安全性の確保につながります。
3-4. 全社参加型イベント(ウォーキング大会)での一体感醸成
運動習慣の定着を目的としたウォーキングイベントでは、個人戦だけでなく部署や雇用形態の垣根を越えたチーム戦も開催し、参加を促進しています。
- 運用のポイント:歩数に応じた健康グッズのプレゼントを用意することで、単なる業務連絡以上のコミュニケーション機会が生まれ、職場全体のエンゲージメント向上に寄与しています。
特に、「参加したことに意義あり精神」として、平均1000歩達成でも賞を準備するなど、運動が得意でない方でも気軽に参加できるよう工夫しています。
施策導入を成功させる3つの実務ポイント
自社従業員以外への支援施策をスムーズに導入・定着させるためには、事前の社内調整と現場での配慮が不可欠です。
ポイント1:総務・法務・派遣元との事前すり合わせ
施策を公開・案内する前に、総合管理部門(人事総務や労務部門)と以下の点を確認しておきます。
- 研修への参加時間を「業務時間」として扱うか否か(派遣元との契約内容に抵触しないか)
- 費用発生の有無(予防接種などにおける実費負担の取り決め)
- 参加を強制せず、あくまで「希望制・任意の福利機会」として周知すること
ポイント2:「特別扱い」ではなく「自然な同席」を作る
「派遣社員向けに新しい制度を作りました」と過度に強調するよりも、「今度の健康セミナー、派遣社員の皆さんも自由に画面から参加できますのでぜひどうぞ」と、日常の延長線上で自然に巻き込むトーンが効果的です。心理的なハードルを下げ、参加しやすい空気を作ることが利用率向上につながります。
ポイント3:経営トップ・役員からの継続的なメッセージ発信
健康経営施策を形骸化させないためには、経営トップのコミットメントが欠かせません。
当社では、月1回の社長メッセージや役員からのヘルスケア情報発信、タウンホールミーティングなどを通じて、「ここで働くすべての人々の健康を大切にする」というメッセージを一貫して発信し続けています。トップの後押しがあることで、派遣社員へのセミナー受講推奨やイベント等への参加配慮を前向きに行えるようになります。
まとめ:まずは「既存施策の門戸を開く」ことから始めよう
健康経営度調査票の改訂は、同じ目的を持って働くすべての仲間に健康経営の裾野を広げ、社会全体へその価値を普及させていくことにあります。
健康経営の普及と裾野拡大が、これからの健康経営企業に求められる役割です。自社従業員以外への支援は、特別な新規予算を組まなくても「既存の研修・セミナー・会場の開放」で着実に前進させることができます。
「今後の健康経営度調査を見据えて早期に対策を打ちたい」「今回の調査票改訂に合わせて健康経営の推進体制全体を見直したい」とお考えの担当者様は、ぜひお気軽にSOMPOヘルスサポートへご相談ください。
当社では、毎年豊富な調査票とフィードバックシートデータが集まるため、他社事例やノウハウが蓄積されており、産業保健支援を本業とする実務家目線をもったコンサルティングを行います。健康経営支援の経験豊富な専門チームが貴社の課題や状況に合わせた最適なご支援をいたしますので、まずはお気軽にお問い合わせください。
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