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テレワークがもたらす集団分析結果への影響(2)
第1回では、組織構造の変化に伴い、集団分析から得られる情報の質も変化するのではないか、ということをお伝えいたしました。第2回では、テレワーク下で増えるプロジェクト型組織について解説いたします。
プロジェクト型組織とは「プロジェクトやタスクに人間関係が紐づく組織」
ここでプロジェクト型組織について少し触れておきます。
プロジェクト型組織というのは、簡単に言うと「目的を達成するために組織の枠を超えて作られる組織」ということになります。
ただし、本稿においてのプロジェクト型組織はもう少し広い意味だとお考え下さい。
言い換えるのならば「部門に人間関係が紐づくのではなく、プロジェクトやタスクに人間関係が紐づく組織」ということになります。
これまでは人間関係が俯瞰しやすい環境だった
コロナ禍前の業務環境を思い出してみましょう。
まず、出社し、所定の場所に着席すれば同じメンバーが周囲にいます。
担当している業務は同じではないかもしれませんが、同じ場所にいることで互いの成果物を見せ合ったり、何気ない進捗確認などはされていたのではないでしょうか。話したい相手の仕事の雰囲気を確認して話しかけたり、相談したりする中で自然と連帯感が生まれ、同じ部門であるという自覚も強まってきたのだと思います。
結果として、管理職側からはメンバー同士の人間関係を比較的俯瞰しやすい環境であり、自部門の全体感を把握することもそれほど難しいことはありませんでした。組織の凝集性が高い状態であったといえるでしょう。
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テレワーク下では独立した関係性がいくつも作られる
では、テレワークが浸透するとどうなるでしょうか。
上司やタスクメンバーといった担当業務に関係する人とは、WEBやメール、電話などで定期的にコミュニケーションをとるのではないでしょうか。
一方で、同じ部門であっても、自分の担当業務にあまり関係のなかった人とはコミュニケーションをとる機会は少なくなるのではないでしょうか。人間関係は組織ではなくプロジェクトやタスクに紐づく状態であるといえます。
このような独立した関係性が自部門の中でいくつも作られると、部門としての全体的なまとまりが非常に捉えづらい状況に陥りやすくなります。実態はプロジェクト型組織であり、ピラミッド型組織と比べ組織の凝集性が低い状態に変化しているからです。
管理職マネジメントの在り方も大きく変わっていく
こうした状況は、テレワークの期間を一時的にしか取り入れていない企業であれば大きな影響はありません。一方で、この先もテレワークを推進していく企業にとってはそうではありません。
なぜならば、組織運営の要である管理職マネジメントの在り方も大きく変わる必要があるからです。
次回は、テレワーク(プロジェクト型組織)に求められるマネジメントと集団分析への影響についてお話ししたいと思います。
(次号へ続く)
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第2回では、テレワークが継続される中で起こり得る関係性の変化についてお話をいたしました。第3回は、その中で求められる管理職マネジメントの変化を中心にお話しいたします。