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ストレスチェックでエンゲージメントを測定するには?ストレスチェック80問版のススメ
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「ストレスチェックに加え、エンゲージメントサーベイも実施したいが、運用側と従業員双方の負担を考えると躊躇してしまう」 そんな声を、よく耳にします。事実、実施するサーベイを1つ増やすということは、負荷も倍近くになることでしょう。こうしたケースは、多くの人事にとってジレンマとなります。
サーベイは、実施することそのものが目的ではありません。組織が良くなるための「意思決定を手助けする手段」です。ならば、その手段はできるだけ効率的であることが望ましいでしょう。 企業の多くは、ストレスチェックに「57問版(職業性ストレス簡易調査票:以下57問版)」を利用しています。
結論から言えば、57問版に加えて新たにエンゲージメントサーベイの導入を検討する前に「80問版(新職業性ストレス簡易調査票:以下80問版)」への切り替えを検討してみてはいかがでしょうか。57問版から80問版への切り替えをすることで、法定のストレスチェック要件を満たしつつ、ワーク・エンゲージメントを可視化することができるためです。
サーベイを「足す」のではなく「切り替える」ことによるメリット

■従業員の受検負担を軽減できる
年1回のストレスチェックに加え、さらに別のサーベイを重ねると、回答への負担からいわゆる「サーベイ疲れ」を招く可能性があります。
サーベイ疲れによって、一般的には回答率は落ち、現場の協力も先細りがちです。一本化できれば、サーベイ疲れを防ぎ、データの質も守れます。
■コストと運用上のメリットがある
57問版を80問版に切り替えた時のコストは、57問版に新たなサーベイを追加したときよりも低くなることが多いです。サーベイの切り替えは差額のみとなりますが、サーベイを追加した場合は、対象者数分の費用がそのまま足されるためです。
また、運用上のメリットもあります。サーベイのスケジュールによっては、そのまま倍の運用負荷がかかりますし、取り扱う個人情報も増えますので、管理上のリスクも上がります。
■結果を読み解く負担が軽くなる
57問版から80問版にすることで新たな尺度が追加されますが、すべての尺度は同じ枠組みの中で表示されます。これにより互いの尺度の関係性や得点の読み解きが、別のサーベイを導入するよりもはるかに軽い負担で行うことができます。
一方で、別のサーベイを用いる場合は、尺度同士の関連性が読み解きし辛いことがあり、因果の見立ても難しくなります。
57問版と80問版の主な違い
57問版が中心に据えてきたのは「ストレスの要因(仕事の量・質・裁量など)と反応(不調の兆し)」です。80問版はそこに、職場のポジティブ側面や資源を加え、働きがいなども一緒に測れるように拡張されています。言い換えますと、80問版はネガティブな要素だけでなくポジティブな要素がより多く測定できる特徴があります。

■80問版の「健康いきいき職場モデル」
80問版は、日本で開発された「健康いきいき職場モデル」をベースに作られています。下図に示されているように、「仕事の負担」と作業レベル、部署レベル、事業場レベルそれぞれにおける「仕事の資源」のバランスを様々な要素で確認し、結果である「健康いきいきアウトカム」との関係性を見ていきます。このアウトカムの中に、「ワーク・エンゲージメント」の要素も盛り込まれています。

■尺度の比較
「仕事の負担」
57問版においてもある程度カバーされていますが、80問においては「情緒的負担」「役割葛藤」など、より従業員が置かれている状況を細かく把握することができます。例えば「情緒的負担」についは、感情労働と呼ばれる対人職特有の負担感についても可視化することが可能です。

※BJSQとは、職業性ストレス簡易調査票(The Brief Job Stress Questionnaire)の略。57問版はBJSQ、80問版は新BJSQと呼ばれる。
「仕事の資源」
仕事の資源とは、仕事や組織に存在している以下のような働きを持つ要素を指します。「仕事の資源」が豊富にあるほど、ワーク・エンゲージメントが高まることも分かっています。
①仕事に関する負担感を軽減する
②仕事上の目標の達成を促進する
③ひとりひとりの成長や発達を促進する
それぞれ現場に近いところから順に「作業レベル」「部署レベル」「事業場レベル」に分類されます。



80問版におけるワーク・エンゲージメント結果
上述した「健康いきいき職場モデル」をベースに、80問版では以下のようにワーク・エンゲージメント結果が表示されます。別途、ハラスメントや満足度といった要素も含まれています。

80問版で表示されるワーク・エンゲージメントは、健康経営度調査票で聞かれている要素にも対応しており、これから健康経営を目指す企業にはぜひ意識していただきたいポイントでもあります。
80問版に切り換える場合によくある質問

Q1 法定のストレスチェックとして使える?
80問版はストレスチェック制度に沿うサーベイです。
Q2 去年の57問版と比べられる?
主要尺度は連続性があります。切り替え初年度は「共通項目で比較+新規項目は基準年設定」にすると運用がスムーズです。
Q3 57問と比較し、受検時間は増える?
純粋に23問増えますので、時間にすると5分少々回答時間が延びます。
Q4 エンゲージメントサーベイを完全に置き換えられる?
目的にもよりますが、深く自社のエンゲージメント状況を知りたい場合は、別途専用のサーベイを導入したほうがよい場合があります。事前に80問版の尺度と、専用のエンゲージメントサーベイ尺度を比較し、検討されることをお勧めします。
Q5 離職予防に使えるか?
離職を招きやすい職場風土を改善する目的であれば80問版も役立ちますが、退職リスクのある従業員を調べ個別に対策を打ちたい場合には「パルスサーベイ」のような高頻度で個人の状況を可視化するようなツールが望ましいでしょう。
Q6 個人の結果を見ることができるのか?
80問版もストレスチェックの一種となりますので、運用には法的な規定が定められています。実施者や実施事務従事者は個人結果を閲覧することはできますが、その他の方は閲覧することが認められていません。
~80問版にご関心がある場合は~
57問版から80問版への切り替えについて、ご関心がある場合はぜひ当社にご相談ください。貴社の現状を丁寧にヒアリングさせていただき、80問版への切り替えが良い選択肢となるかどうかの判断について、お手伝いさせていただきます。
80問版への切り替えをされる場合は、想定コスト、スケジュール、ご注意点含め経験豊かなコンサルタントがご提案を差し上げます。
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