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従業員の帰属意識を高めることは必要か?注意点も解説!

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従業員の帰属意識を高めることは必要か?

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本記事では、帰属意識の重要性、企業への影響について解説します。
帰属意識が高まると、従業員は自分の仕事に対してより強い責任感を持ち、企業の理念や目標に共感するようになります。
結果として、日々の業務における積極的な姿勢や、問題解決への取り組み方に良い影響を与え、長期的な視点でのキャリア形成にも役立ちますが、気を付けなければならない点もいくつかあります。

帰属意識とは何か?基本概念を理解する

帰属意識とは、自身が属している組織や集団、グループに対して、自身がその一員であるという意識や愛着のことです。
これが高まることで、従業員はより長く企業に留まる傾向があります。
人材不足や若手の離職に課題を感じている企業の間で、帰属意識について着目がされ始めています。

■帰属意識を高める要因とその効果

帰属意識を高めるためには、企業と従業員がビジョンや方向性に関して対話ができる環境づくりと組織の透明性が重要です。
なぜならば、相手に対しての理解が乏しい状態では、帰属意識が生まれにくいからです。

帰属意識が高まると、自分の業務に対してだけでなく、会社そのものに対して「支えたい」「チームで成果を上げたい」といった気持ちが高まります。
そのために、従業員が企業の方針やビジョンを理解し、それに貢献する意識を持つことが大切です。
従業員の帰属意識が高い組織では、従業員は自分たちの役割をより明確に理解し、組織の一員であることに誇りを持つようになります。

高い帰属意識を持つ従業員は、自らの役割を理解し、責任感を持って業務に取り組むため、組織への積極性が向上します。
これは顧客との関係にもプラスの影響を与え、長期的なビジネスの成功に寄与することでしょう。

エンゲージメントとの関連性とその重要性

帰属意識と似た概念として、エンゲージメントがあります。ここでは、両者の関係についてご説明します。

■帰属意識とエンゲージメントの違い

帰属意識とは、自身が属している組織や集団、グループに対して、自身がその一員であるという意識や愛着のことです。
その気持ちの強弱を「帰属意識が高い、低い」などと表現します。
対してエンゲージメント(engagement)は、従業員が会社や組織、業務に対して抱くポジティブな結びつきや関係性といった意味で用いられますが「約束」「婚約」などという意味が示す通り「会社と従業員双方の肯定的なつながりの強さ」といった意味でも用いられます。
帰属意識は片方向の気持ち、エンゲージメントは双方向の気持ち、と区別すると違いがよく分かると思います。
また、エンゲージメントを構成する一要素として帰属意識がある、とご理解いただいてもよいでしょう。
エンゲージメントについての詳しい解説は、以下記事をご参考ください。

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■帰属意識とエンゲージメント、どちらが重要か。気になる注意点も。

結論、企業としてはエンゲージメント向上に努めるべきでしょう。
帰属意識の向上は、先に記載したように企業に良い影響を与える可能性がありますが、注意ポイントもあります。
それは、エンゲージメントが企業と従業員双方の気持ちを示すのに対し、帰属意識は従業員から企業に対しての一方的な気持ちを指すからです。
帰属意識が高いことは一般的に良いことですが、帰属意識が高い=企業にとって望ましい行動をとってくれるとは言い切れません。
人と人の付き合いに置き換えてみれば分かりやすいですが、相手を想った行動が、必ずしも相手に喜ばれるとは限らないからです。
考え方としては、エンゲージメントを高めた結果、従業員の帰属意識が高まった、という流れが望ましいでしょう。

帰属意識を高める方法

上述の通り、エンゲージメント向上を意識していただきたいのですが、それでも帰属意識をピンポイントで高めたい場合について、いくつかご紹介をいたします。

職場環境の改善と帰属意識の向上

職場環境の改善は、帰属意識を高めるための鍵です。
例えば、柔軟な勤務時間やリモートワークの導入は、従業員の満足度を向上させ、企業に対する従業員の肯定的な感情を育む効果があります。
これにより、従業員は自分の生活スタイルに合わせて働くことができ、プライベートと仕事のバランスを取ることが可能になります。
また、オフィスの内装や設備を工夫することで、従業員の仕事への意欲を高めることができます。
福利厚生、制度、物理的な環境などへの満足度が上がると、従業員は他者に自慢したくなるものです。
そういった気持ちを育むことが、帰属意識の向上に役立ちます。
これら職場環境の改善は、企業のブランディングにも影響を与え、外部からの評価を高める要因ともなります。
外部からの評価を得られていること自体が、従業員の帰属意識を高めることにもつながります。

 帰属意識を高めるための「心理的安全性」

人は安心して過ごせる場所に対して愛着を生みやすくなります。そのために職場の心理的安全性を高めるとよいでしょう。心理的安全性とは、メンバー間のコミュニケーションにおいて、自分がどのような発言をしたとしても、攻撃されたり、嫌われたり、関係性が壊れたりする恐れを抱くことがない安心した状態をいいます。
心理的安全性の低い職場は、ミーティングなどで発言をするときに「馬鹿にされる」「否定される」「ダメ出しされる」といったネガティブな気持ちを抱えるメンバーが多くなります。
結果として、よいアイデアが浮かんでも黙っている、反対意見を言わない、ミスを隠す、困っている人に関わらない、などの行動を選択する可能性が高まります。
こうした職場になってしまうと、メンバーの帰属意識は育ちません。

■心理的安全性を生み出すのは管理職

管理職は職場での心理的安全性を左右する存在と言っても過言ではありません。
ここでは、管理職の方に特に意識してほしい2点について記載をします。皆さんの会社の管理職は意識できているか確認してみましょう。

1 メンバーに公平な発言の機会を与えているか
特定のメンバーに偏った意見集約をしていると、意見を聞かれにくいメンバーは不安や不公平感を感じるようになります。
こうした状況を防ぐために、管理職はメンバーひとりひとりに発言する機会を与えましょう。
初めは発言を躊躇するメンバーもいるかもしれませんが、粘り強く関わることで、発言することへの抵抗感も薄れ、心理的安全性を高めることにつながります。

2 メンバーの成果だけでなく行動や存在に目を向けているか
管理職が成果にこだわることは当然ですが、メンバーとの関わりを成果のよしあしのみで構築してしまうと、関係性は不安定なものとなり、心理的安全性も高まりません。
管理職は成果以外にも、メンバーの行動(プロセス)を日々観察しておき、折に触れてコミュニケーションをとるようにしましょう。
また、行動以外にも存在に着目する方法があります。これは存在承認といわれます。
一言で言うと「相手を尊重する」気持ちを伝えることです。
挨拶を欠かさない、笑顔で接する、趣味や誕生日を覚えている、などといった態度を指します。

皆さまの会社における職場の心理的安全性はいかがでしょうか。
今回は、帰属意識とエンゲージメントの違いや、帰属意識を高めるために必要な心理的安全性について説明をしました。
帰属意識を育みやすい組織づくりのために、まずは各職場の心理的安全性がどの程度なのか可視化してみることをお勧めします。

 ■若手社員の声を活かした帰属意識向上策

若手社員の意見を積極的に取り入れることは、帰属意識強化に効果的です。
彼らのアイデアを反映することで、組織に対する関与感が高まり、離職率の低下につながります。
若手社員が自分の意見が尊重されていると感じることで、企業に対する信頼感を持ち、長期的なキャリアビジョンを描くことが可能になります。
例えば、従業員の提案を基にした新しいプロジェクトを立ち上げることで、従業員は自らの意見が企業の成長に貢献していると実感し、帰属意識が高まります。

まとめ

従業員の帰属意識とは、「自分はこの会社の一員だ」という意識や愛着のことです。
これが高まると、仕事への責任感や主体性が強まり、チームの協力や企業への貢献意欲も高まります。
また、心理的安全性がある職場や、若手の声を取り入れる仕組みも帰属意識向上に効果的です。
ただし、帰属意識は一方的な感情であり、企業と従業員の相互の信頼関係を表す「エンゲージメント」とは異なります。
理想はエンゲージメントを高め、その結果として帰属意識も育まれる状態です。

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