日本精工株式会社
2013年より当社サービスをご利用
1916年に日本で最初に軸受(ベアリング)を世に送り出して以来、日本における軸受のパイオニアとして、さまざまな軸受を開発・供給し、産業の発展と機械の進歩に大きく貢献。現在は、軸受の分野で日本第一位、世界でも有数の地位を誇る。
- 課題とニーズ
- 不調者を出さない組織風土を作りたい
- セクショナリズムの問題
- マネジメント人材の不足
- 導入された当社サービス
- メンタル不調者/休復職者対応「LLax standard」
- ヘルスケア研修「LLax training」
- ポイント
- 3年目くらいから事務所の変化を実感できるようになった
- 課題を認識し、自分たちでできることから実践し始めた
Q.弊社のサービスをご導入いただいたきっかけを教えてください。
2012年6月に労務の責任者として当事業所へ着任したのですが、メンタルヘルス不調になる社員が、他の事業所と比較して多い、と感じました。労働組合からの要望もありましたので、産業医(精神科専門医)に発症者や休復職者の対応(3次予防)をお願いすることにしました。一方、予防活動を任せられる会社として、SOMPOヘルスサポートを考えていました。実は、こちらに着任する前の事業所で、すでにSOMPOヘルスサポートのサービスが導入されていましたので、OMCのことを知っていたのです。社員にとって、精神科医の産業医面談というのは少しハードルが高いものですので、予防面談としてOMCを活用したいと考えました。また、実践的な研修を企画・実施してくれることも期待していました。
Q.活動を開始するにあたって、重要視していたのはどのようなことでしょうか。
まずは、産業医(精神科専門医)、看護師、労務責任者である私、SOMPOヘルスサポートのOMCとコンサルタントが「チーム」となり、役割分担を明確にするところから始めました。
また、研修などの活動を「やりっぱなし」にせず、継続することが何より大切だと、初めから決めていました。SOMPOヘルスサポートの担当OMCやコンサルタントにも、「少なくとも5か年計画で考えている」ということを初めからお伝えしたんです。様々な活動が実を結び、実際に成果が出始め、不調者を出さないような組織風土となるためには、少なくとも5年程度かかると考え、社長にも来場時にそのように報告していました。「風土を変える」ということは、並大抵のことではありせん。腰を据えてじっくり取り組むことが何より重要です。
Q.サービス導入後は、実際にどのような活動を行ってきたのでしょうか。
「研修実施⇒参加者への全員面談」というサイクルを、管理職、係長を対象に繰り返し回していただいています。研修講師をやることで、まずは担当OMCの顔や人柄を社員に知ってもらい、その後、個別面談をすることで、社員の本音を引き出すねらいです。社員が何を課題と感じているか、どんなことで苦しんでいるのか、本音を聴きたかったんです。その点、OMCは外部の専門職でありながら、当社の産業保健スタッフとして、当社のことをよく理解しながら話を引き出してくれるので、内部の人間にはなかなか言えないだろう「生の意見」がたくさん出てきますね。
社員から聴いた課題はOMCにまとめていただき、その内容を必ず担当役員に報告しています。その報告書の内容も参考にしながら担当役員がトップダウンで業務改善を推進する、そこまで繋げています。すぐにできることはすぐにやる。すぐに解決できないことは中長期的な課題としてとらえている、ということをきちんと社員にフィードバックしています。課題をあえて穿り出すのであれば、必ず具体的な改善に繋げる、その覚悟が大切です。OMCは課題を整理するだけでなく、課題に対する対策のヒントまで報告してくれるので、助かっています。活動を始めて3年目くらいから、一般社員からも「事業所の変化を実感できる」という声が上がってくるようになりました。
Q.最近の取組み内容を教えてください。
当事業所の大きな課題は2つだということが、社員へのヒアリングでわかってきました。ひとつは「部署間のコミュニケーション」、つまり、セクショナリズムの問題です。自部署内のコミュニケーションはとれているし、上下関係も良いのですが、部署間のコミュニケーションが良くない。仕事を押し付け合ったりする。これは、決して仕事に対する責任感が薄いということではありません。忙しすぎることが背景にあります。今ある仕事をこなすことで精一杯な部下を守るために、上司が極力自部署の仕事を増やさないようにしていたのです。
もうひとつの課題は、「マネジメント人材の不足」です。ある時期から急激に仕事の受注が増えたため、それに合わせて人を採用しました。組織規模が急に大きくなったので、人の育成が追い付いていない現状がありました。
その2つの課題を解決する対策を検討するため、管理職、係長、一般職それぞれの層ごとに、ワークショップをOMCに実施してもらいました。各階層ごとにメンバーが集まり、自部署の良い点、改善すべき点を共有し、ともに対策を考えるというワークショップです。課題は課題としてしっかり認識し、自分たちでできることから手をつける、という意識が高まりました。また、会社側への要望もきちんと受け止め、すぐにできる対策はすぐにやります。そうすることで「言ったかいがあった」と思ってもらえるのです。また、一般職からの意見にどう応えるのか、というワークショップを管理職で実施したり、担当役員から全員に対して直接フィードバックを行うことで、「やりっぱなしにしない」という姿勢をここでも徹底しています。
Q.最後に、SOMPOヘルスサポートにこれから期待することは何でしょうか。
やはり、これからも、社員の生の声を聴き続ける、ということはお願いしたいです。上司や産業医や人事担当には言いにくい本音の話を引き出してほしいです。そして、社員の声をベースにした組織改革、ということを継続していきたいです。また、お客様からご要望されるレベルが年々高くなる中、大変なプレッシャーの中で日々みんな仕事をしています。ですから、OMCと定期的に話すことで、息抜きというか、気持ちが少しでも楽になってくれたらいいな、と思いますね。